会社が倒産・破産したときの失業保険の手続きや流れについて

 

 

「人手不足」や「倒産」と、暗いニュースを目にする機会が増えています。

わたし自身、会社倒産、会社自己破産・個人自己破産を経験した立場ではありますが、突然の事態に不安をかかえる従業員に、会社代表として最後にできることが、失業保険の手続きに必要な書類を揃えることでした。

失業保険は、会社の退職理由によって、受給金額や期間が変わってきます。

そこで今回は会社代表(社長)として、会社が倒産したときに、従業員にできる最後のこととして、突然の事態に見舞われる従業員の生活保障のために、失業保険の手続きについて説明したいと思います。

従業員側の方も、知ってて損はない〝失業保険〟について、知識を身につけておかれることも〝いざ!というときのため〟に役立ちますので、読み進めてくださいね。

失業保険の3つの分類

会社が倒産した場合、会社都合による退職なり「特定受給資格者」となります。

失業保険(雇用保険)では、離職理由によって〝受け取れる金額と日数〟が変わってきます。

自己都合退職の場合、3ヶ月の給付制限がつきますが、自己都合でも「特定離職理由者1・2」の場合は、会社都合と同様の扱いになり、7日間の待機制限後、支給がはじまります。

このように、失業保険は3つの分類に分かれて、受給金額や期間が変わってきます。

この3つの失業保険について、それぞれ説明しますね。

特定受給資格者(倒産や解雇による会社都合による退職)

こちらのブログをご覧いただいている方は、おそらく、この特定受給資格者に該当すると思います。

離職理由が倒産や解雇による会社都合で失業者となった「特定受給資格者」になります。

  • 加入要件:6ヶ月以上
  • 給付制限:なし
  • 給付日数優遇:あり
  • 個別延長給付:対象外

 【特定受給資格者:離職理由コード】

1A(11):解雇

1B(12):天災などの理由により事業の継続が不可能になったことによる解雇

2A(21):雇い止めによる解雇(期間の定めのある雇用契約(1年未満)を3年以上繰り返し、事業主側の事情によって契約満了、または、雇い止めとなったために離職したとき)

2B(22):倒産・退職勧奨・法令違反などの正当な理由のある自己都合退職

3A(31):事業主からの働きかけによる正当な理由のある自己都合退職

3B(32):事業所移転などに伴う正当な理由のある自己都合退職

 

特定理由離職者(正当な理由がある自己都合退職)

※特定期間:平成21年3月31日~平成34年3月31日までは、特定受給資格者と同条件

【特定理由離職者1】

  • 加入要件:6ヶ月以上
  • 給付制限:なし
  • 給付日数優遇:あり
  • 個別延長給付:対象外

【特定理由離職者1:離職理由コード】

2C(23):期間のある定めのある労働契約の期間が終了し、かつ、次の労働契約の更新がないことにより離職した者(その者が更新を希望したにもかかわらず、更新できなかった場合)

 

【特定理由離職者2】

  • 加入要件:6ヶ月以上
  • 給付制限:なし
  • 給付日数優遇:なし
  • 個別延長給付:対象外

【特定理由離職者2:離職理由コード】

3C(33):正当な理由がある自己都合退職(被保険期間12ヶ月以上)

3D(34):正当な理由がある自己都合退職(被保険期間12ヶ月未満)

 

契約期間満了など

【特定理由離職者ー契約期間満了など】

  • 加入要件:12ヶ月以上
  • 給付制限:なし
  • 給付日数優遇:なし
  • 個別延長給付:対象外

【特定理由離職者ー契約満了など:離職理由コード】

2D(24):契約期間満了により退職(更新なしと明記があった場合などで、事業主、労働者同意のもとに計画期間満了となり退職)

2E(25):定年退職、移籍出向

 

特定受給者および特定理由離職者について、さらに詳しく調べたい方はハローワークインターネットサービスがオススメです。

特定受給資格者および特定理由離職者の範囲の概要(ハローワークインターネットサービス)

一般受給資格者(自己都合退職)

【一般受給資格者:離職理由コード】

  • 加入要件:12月以上
  • 給付制限:あり
  • 給付日数優遇:なし
  • 個別延長給付:対象外

【一般受給資格者:離職理由コード】

4D(40):正当な理由のない自己都合退職

4D(45):正当な理由のない自己都合退職(受給資格など決定前に被保険者期間が2ヶ月以上)

5E(50):背任行為、懲戒事由に基づく被保険者の重大な責による退職

5E(55):背任行為、懲戒事由に基づく被保険者の重大な責による退職(受給資格など決定前に被保険者期間が2ヶ月以上)

 

失業保険についての問い合わせ先はハローワーク

知らないと損をするか知れません。待ってるだけでは、失業保険は受給されません。

もしも突然会社が倒産し、会社都合で退職された場合、給料明細で雇用保険料が天引きされている方は失業保険受給資格があると考え手続きのために、ハローワークに出向いてください。

必要書類の離職票がなくても、最寄のハローワークにご相談に出向いてくださいね。

失業(雇用)保険の手続きに必要なもの

①雇用保険被保険者証

事業所控えと本人用があります。雇用時にご本人に渡されていても、紛失されていることが多いです。その場合は事業所控えのコピーをいただきましょう。

(記入例)雇用保険被保険者離職票‐1

 

②雇用保険被保険者離職票‐1

離職は会社が作成し、ハローワークの受理印をもらって退職者に渡すものです。

雇用保険被保険者離職票‐1には、氏名・生年月日などの記載と、失業保険の振込先口座番号を記入する欄があります。

 

③雇用保険被保険者離職票‐2

在籍していたときの月額給与、退職理由などを記載します。失業保険の受給金額や日数を算出する基礎となる重要な書類になります。

※会社によっては退職者からの依頼がないと離職票を作成しない場合があります。会社倒産の場合、代理人弁護士が会社代表者の窓口として委託されているので、もしもお手元に離職票が無い場合は、ご相談してください。

また、ハローワークにご相談されても対応はしてくれるかと思いますが、その場合、退職前6ヶ月分の給料明細が必要となります。

(記入例) 雇用保険被保険者離職票‐2

③マイナンバーのわかるもの

マイナンバーカード・通知カード・マイナンバー記載の住民票のいずれか

④身分証明書 ③のマイナンバーのわかるものに、マイナンバーカードを提示する場合、④の身分証明書は必要ないです。

身分証明書として、マイナンバーカード・運転免許証・運転経歴証明書・官公署が発行した写真つき証明証のいずれか1点。もしくは、健康保険証、児童扶養手当証書などから2点用意します。

⑤写真(タテ3㌢×ヨコ2.5㌢)2枚

正面上半身が写っているもので、直近3ヵ月以内に撮影した同じものを2枚用意します。

⑥預金通帳またはキャッシュカード

本人名義の口座で「郵貯銀行はOK」ですが「ネットバンク」や「外資系の銀行口座」は不可にまるので、気をつけてくださいね。

失業(雇用)保険受給手続きの流れ

① 求職の申込

② 離職票の提出

③ 受給資格の判定

④ 受給説明会の日時決定

ハローワーク・ホームページに雇用保険の具体的な流れについて掲載されています。詳しく調べたい方は、こちらをご参考にしてくださいね。

国民健康保険と国民年金の軽減措置について

突然の会社倒産によって失業された場合、解雇予告手当てに充当する金額や、最悪の場合、未払い給料の清算ができていない場合もあると思います。

そんな中で、社会保険(健康保険・厚生年金)に切替、支払っていくことは、かなりの負担になるかと思われます。

突然の失業の場合、国民権保険や国民年金の支払について、国民年金免除制度があります。

会社倒産で次の就職活動をされる状況で、経済的に苦しいことを理由に滞納してしまうと、将来的に年金受給が減額になったり、もしくは受給資格に満たない可能性もあります。

お住まいの市区町村によっては、離職理由が倒産や解雇などの場合、国民健康保険と国民年金が軽減される制度があります。

会社都合で退職を余儀なくされた方は、失業保険の受給手続きと同時に、最寄の市町村役場で国民年金免除制度の利用をご相談くださいね。

 

※ちなみにわたしの会社の元従業員は、失業保険の受給を受けながらスキルアップのためにハローワークで、求職者向け職業訓練を受講し、3ヶ月の短期パソコンスクールに通い、新たな就職先を探しました。

さいごに

会社が倒産すると、代表者個人も大変な状況になりますが、倒産会社に勤めていた従業員の方も、不安や心配が募ると思われます。

失業保険の受給を受けながら、スキルアップのための知識や技術を身につけられて、キャリアアップされるチャンスかも知れないですね。

知らなければ損することがいっぱいですので、まずは、正しい知識を集めてくださいね。

この記事は社会保険労務士や弁護士の指導により得た情報ですが、詳しくは最寄のハローワークにてご確認くださいね。


「解雇予告手当」は、従業員にとっては解雇後の生活があるので支払って欲しい手当ですね。

また、経営者にとっても、苦しいお金の事情があっても、会社のために貢献してきた従業員の今後のために支払いた手当だと思います。

もしも「1か月分しか給料が支払えない場合、未払い給料か!解雇予告手当か!どっちを優先させるべきか?

この問題について[未払賃金立替払制度]という従業員のための救済措置の制度を交えながら説明しています。


 

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