会社倒産!破産した場合「未払い給料」「解雇予告手当」優先して支払うのはどっち?

この記事では会社倒産!破産による清算を選択された会社の従業員の「未払い給料」「解雇予告手当」について優先して支払うのはどっち?を主体に「解雇予告」について説明しています。

会社倒産時には法的整理と私的整理があり、法的整理には破産、民事再生や会社更生法適用をうける清算方法です。ちなみに私的整理には任意整理などがあります。

わたし自身、従業員に解雇予告手当の有無を質問されたときに、手元に支払える〝十分なお金〟があれば、支払いたい気持ちでいっぱいでしたが、現実的には未払給料の清算しかできませんでした。

従業員にしてみれば、次の就職など生活に影響がでるので解雇予告手当を支払って欲しいと思うのは当然ですので、破産手続を進めていくなかで反省することになります。

では会社倒産そして破産した場合の解雇予告手当について、まずは、会社破産申立前の解雇予告手当について説明しますね。

会社が倒産したときの清算方法で解雇のルールが違う

会社倒産といってもさまざまな状況が想定されます。会社倒産=会社破産ではありません。

会社倒産・破産・廃業について説明しています。

倒産してからの会社の清算方法によっては、解雇予告手当の発生の有無や社員の解雇についてのルールが違ってきます。

民事再生や会社更生法の適用をうけた場合の解雇・解雇予告手当について

たとえば 民事再生および会社更生法の適用をうけ、会社は倒産状態であったとしても、会社が破産して消滅するわけではないので、解雇についての判断に制約があります。

具体的には、民事再生手続であれば、手続のひとつに再生計画を作成し裁判所に提出することになります。

再生計画のなかで、人件費を削減し経営改善をはかることは珍しくないです。

そのため従業員の解雇が計画されていることも多々あり、裁判所に再生計画が認められると、再生計画が履行されるので解雇が可能になります。

そうすると解雇日が明確になります。この解雇日がいつになるかで、解雇予告手当の有無が変わります。

解雇日よりも30日以上まえに明らかになっていれば、解雇予告手当は必要ないということになります。

解雇日が1ヶ月の解雇予告期間が確保できない場合、賃金と解雇予告手当の両方が発生します。

従業員の生活を考えるのであれば、解雇予告手当の支払いを賃金の支払いよりも優先すべきです。

未払給料は、未払賃金立替払制度によって、最大8割の支払をうけることができる制度が利用できますが、解雇予告手当は未払賃金立替払制度の対象ではないからです。

会社破産をもって従業員を解雇する場合の解雇・解雇予告手当について

会社破産をもって従業員を解雇する場合、「解雇の30日まえまでに解雇の通知(解雇予告)」をしないといけません。

これは従業員が次の仕事を探すために必要な期間として労働基準法で定められています。

30日まえまでに解雇予告ができなかった場合、30日に不足する日数分の給料を支払わなければいけません。

[解雇予告手当の金額計算]

解雇予告手当=平均賃金×(30-解雇予告期間)

※解雇予告期間の記算日は、解雇予告日の翌日になります。

※原則としてパート・アルバイト・派遣社員でも解雇予告手当を支払う必要があります。

【私見】会社が自己破産をする場合、従業員も会社の業績不振に資金繰りの悪化などの経営難を知り、将来的に倒産(自己破産)する可能性があることを予期している場合は、経営者の方から従業員に事情を説明して解雇予告をしておく方が、次の仕事探しなど従業員のためになると思います。

「未払い給料」「解雇予告手当」優先して支払うのはどっち?

会社が従業員に解雇予告手当を支払うお金がない経営状態の場合、もしも「1か月分の給料相当分なら全員に支払える」ならば、未払い給料を支払うのではなく、解雇予告手当を優先して支払うのが従業員のためです。

給料については未払いの場合「未払賃金立替払制度」によって、最大で未払い給料の8割を立替払いで受けることができるからです。

「未払賃金立替払制度」について平成29年度の利用状況などを含め、解説しています。

解雇予告手当は、この「未払賃金立替払制度」の対象ではありません。

労働基準法で「解雇予告手当」が定められていても、支払う「お金」ばなければ「未払い給料」はもっとも優先される「財団債権」として、配当に関係なく破産管財人から優先して支払を受けることができます。

ところが「解雇予告手当」は、「財団先権」ではなく、「優先的破産債権」として配当の順番がちがいます。

この「優先的破産債権」のなかでも優先される配当の順番がります。

ほとんどの場合、財団債権に支払ったあと、配当に期待はできません。(※それほど配当があれば、むしろ破産する必要があるの?ということになります。)

解雇するときの書類

会社破産を事由に解雇する場合、

【解雇通知書】の準備をし、後日従業員に「離職票」を速やかにわたすことができるように、ハローワークに提出する「雇用保険被保険者離職証明書」と「雇用保険被保険者資格喪失届」の準備をします。

【解雇日までの給料の計算やそれまでの未払給料の有無】について検討します。

【源泉徴収票】の作成。

【市県民税】特別徴収から普通徴収への切替に関する「異動届」を各市町村へ提出します。

【社会保険】年金事務所へ「被保険者資格喪失届」「適用事業所全喪届」の提出準備

【健康保険の切替手続きについての説明など】

配当される順番について、具体的な例をあげて説明しています。

わたしは「未払賃金立替払制度」に関しての予備知識がなく、後からいろいろな制度や仕組について理解を深めるなか、「解雇予告手当」については、今でもとても後悔し反省ています。

もしも最後の最後に給料だけは支払えるから給料を清算して、破産申立をしようとお考えの場合(※無知なわたしでした!)は、その支払は、解雇予告手当に充てることを弁護士にご相談くださいね。

まとめ

解雇予告手当について無知なわたしは、従業員に結局のところ解雇手当を支払うことができませんでした。

もっと〝お金・心・時間の余裕〟があるときに、債務整理を専門にされている弁護士に相談にいけばよかった!とういう後悔と反省があるばかりです。

こうして情報提供することで、おなじことを繰り返さないで欲しいと心から思います。

最後に、解雇する際のついての注意点をご紹介しておきますね。

◆解雇を明らかにした日付を明記した解雇通知書を作成してください。この際、解雇の理由と解雇予告手当の有無・金額も明記してくださいね。

そして、解雇通知書に必ず、「解雇通知の件、承知しました」など、のちのちのトラブルを防止するために、従業員から自署で署名捺印をいただいて保管しててくださいね。

◆退職届も必要になります。

失業保険には退職した理由と退職日の記載が必要になります。退職届と解雇通知書のコピーを添付し、離職票を作成後、従業員に渡してあげれば失業保険の手続きがスムーズになります。詳しくは、こちらをご覧くださいね。

◆解雇予告手当や給料を支払った場合、領収書から従業員名でもらってくださいね。但し書きには、解雇手当、給料手当など、事実をご明記くださいね。

これらは後々、破産管財人に提出する書類として必要になります。なければ、ないで、そのむね正直に伝えれば、従業員に直接、確認の連絡をされます。

恥ずかしながら、全員清算していたつもりが、パート従業員で1名、破産管財人に連絡がいき、未払い給料が発覚しました。

未払賃金立替払制度が利用できるように証明書を発行し、手続きをしてくれました。

会社破産、個人破産を経験して思うことは、知らなければ損する!ことがあります。

ところが破産法など、むずかしい法律用語や漢字の連続!弁護士によっても、得意な分野に分かれています。

はやめに破産法に精通している弁護士に、会社倒産したときの清算方法や、破産についての法律的な問題や質問をまとめ、相談されることをオススメします。

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