【破産と賃貸借契約】現状回復交渉・明渡し・残置物撤去処分・滞納家賃債権まで

2018年7月の投稿記事でしたが、とても読みにくかったのでリライティングしました。

賃貸借している会社の【原状回復・明け渡し】は優先すべき問題

会社破産・個人破産を覚悟したとき、賃貸で借りている会社と大家(貸し主)のあいだで交わした、賃貸借契約に明記されている、【原状回復・明け渡しについての条項】は大きな問題でした。

「日本年金機構の差し押え」によって金銭的な余裕もなく、家賃は未払いが続いていた状態でしたが、大家さんの厚意で支払を待っていただいていました。

破産申立代理人(弁護士)によると、破産手続き申立までに、大家さんが賃貸借契約解除に合意し、引き渡し完了が、<今後、納めなければいけない予納金に影響するため>優先すべき問題ということでした。

申立代理人の考えは、賃貸借契約に記載されている「借り上げ後に造作した壁や間仕切りなどすべてを撤去する〝スケルトン〟」の、原状回復についての交渉「社内のものを撤去する」、そして「明け渡し完了」の合意をとることでした。

合意していただくためには、大家さんが納得するかどうかがポイントになるのですが、今回は【破産申立代理人(弁護士)の交渉後、明け渡しが完了するまで】を解説したいと思いますの参考にしてくださいね。

【破産手続き申立前】未払い賃料について

会社の経営状況が悪くなった場合、保証金を差し入れしている安心感があるので、税金や社会保険料、取引先への支払、従業員への給料、借金の返済が優先され、「家賃は後回し」になることが多いと思われます。

【余談】破産申立を考えている経営者が、弁護士費用の準備のため、支払をストップして現金を貯めるケースもあるそうです。

わたし自身、経営状況が苦しくて「受任通知発送」時は、資金不足により2ヶ月分の賃料を滞納している状況でした。

本来、支払う原資となるはずの、売上金が入金される銀行預金を、日本年金機構に差し押えられていたので、手元にある現金は小銭だけの惨めな状態でした・・・。

そんな中で「社内の置残物の撤去費用や原状回復の費用」は「どうすることもできない金銭的な問題」でした。

­会社が経済的に行き詰ったときに、「支払を後回しにする家賃の滞納」があ、2、3ヶ月分の滞納となったら要注意です。賃貸借契約の解除も検討されて当然な時期です。

ところが、大家さんは未払いの家賃があっても、「頑張ってね!」と応援してくれていたので、を裏切るのは心が痛くて、顔を合わせるのが「つらい」!!ので、なるべく顔を合わさないようにしていました。

破産手続き開始までに発生している滞納分の賃料

破産申立代理人(弁護士)の説明によると、未払賃料について、破産手続開始までに発生している滞納分は、破産債権としてみなされ、債務者の財産換金による配当を待つことになるそうです。

この配当については、「債権額の10%以上が配当されることは稀」ということですが、会社・個人合わせて債権額は1億5千万円。

今まで個人の財産もふくめ、換金できるものはすべて会社に入れ、何とか維持しているような状態でしたので、破産手続きが開始され、財産調査をされたところで、会社にはほとんど?(小銭しか)お金はない状態!

債権者には申し訳ないのですが、100%配当はない状態ですので、経理処理上、破産手続終結後、貸倒れとして損金処理していただくことになるでしょう。

保証金について

借主は、家主(貸し主)に対して、敷金、または保証金を差し入れているのが通常だと思います。未払い賃料がある場合、明け渡しのときに敷金(保証金)債権として充当し清算されます。

通常、賃貸契約解約の申し出は2~6ヶ月前と、賃貸借契約時に交わしているはずです。わたしの場合は2ヶ月前でした。

突然の廃業の場合、事前に解約予告をするはずもなく、次の借主を募集する期間、損害を与えることになりますので、ココは解約予告2カ月分が、未払い賃料に加算され、保証金と相殺後、残額を債権として請求されました。

『明け渡し完了しない』まま破産手続きを裁判所に申立てたら、どうなるの?

テナント物件(賃貸物件)の明け渡しが完了しなければ、破産手続きが終了できない厄介な問題になるので、賃貸物件の明け渡しは優先事項になります。

賃借物件の明け渡しは、破産手続開始前(受任通知後、裁判所へ申立をするまでの間)に済ます方が好ましいですし、破産管財人が決定したときの、予納金の負担軽減と関係します。

『賃貸物件の明け渡し』が完了しなければ、「貸し主」は次の「借り主」を探すこともできず、損害がどんどん拡大します。その損害費用は破産管財人が決定した際に、予納金の上乗せ計上されることとなり、破産手続きに要する費用も膨れ上がることになります。

ただし、賃借物件の明け渡しには、大家(貸し主)との間で、合意が必要になります。その際の問題になるのが、原状回復です。

お金がないから自己破産するのに「原状回復」改修費用は支払えない!

「一般的な明け渡し」が完了というのは、入居後に取り付けた造作等を撤去する(スケルトン)原状回復後、大家(貸し主)と立会いのもと、合意の上で契約解除となります。

ところが、破産申立代理人(弁護士)に費用を支払い、破産管財人におさめる(予想)費用の準備をした後、原状回復の費用まで用意するのは、テナント物件の規模や造作物などで違いはあると思いますが厳しいはずです。

スケルトンに戻す原状回復については、他の債権者への配当になども考慮され、優先すべきものかどうか、解釈に違いがあるみたいでが、契約書面に記載があると主張する家主(貸主)の言うがままに、原状回復をすることは、破産手続上問題となる可能性もあるそうです。

わたしの場合は、原状回復費用の用意ができる状況でなかったので、予納金の費用をできるだけ最小限に抑え、早期に破産手続き終結するために、破産申立代理人(弁護士)が、受任通知発送後、速やかに大家(貸し主)と交渉してくれました。

『原状回復』交渉の結果!!

家主(貸し主)にとって、破産は腹立たしいことだと思います。

突然であれば、次の借主を探すこともできず、また、居抜き物件として新しい借主を探すことが叶えば問題ないですが、そうでなければ間仕切りの壁や造作物の撤去費用は、家主(貸主)が負担することになります。

わたしが最初に家主(貸し主)から要求されたのは、看板の撤去・残置物の引き取り・エアコンを置いとくことの3つでした。

その後、破産申立代理人(弁護士)と大家(貸し主)が立会った際に、テレビ・応接セット・ホワイトボード・机・椅子セット・会議テーブルなど、利用価値がありそうな物について置いとくことを追加要求されました。

これらについて、引き取り業者の査定額が安価であったこともあり、逆に引き取り費用が軽減されるということで、申立代理人弁護士と相談の上、後々、破産管財人が選任された時に、財産処分を検証されても問題なしとみなし、家主(貸し主)の要望どおり、少しでも納得していただくために、置いておくことにしました。

【借り主の破産】は、結局どのような道筋を辿ったとしても、【家主(貸し主)には大きな痛手を負わす】ことになります。

引取額と撤去費用少しは残るのでしょうか?!

破産申立代理人(弁護士)が紹介してくれた、倒産専門引き取り業者に依頼し、2tトラック3台、作業人数6名体制の中、2日かかりで片付けた結果は、赤字でショックでした。

1ヶ月前に購入した10万円ほどの備品も0円!多くのものが0円価値で、一番高額だったのが、古ぼけたラジカセが3,000円?!の価値があったりで、引き取り金額は5万円ほどの値段がついただけでした。

それに対して、撤去費用は約48万円でしたので、マイナス43万円。この費用と看板撤去費用は別途約10万円の総額53万円は、主人が立替えて支払ってくれました。

参考までに、仮に間仕切りなど造作物まで撤去するならば、プラス50万円でしたたので、破産申立代理人(弁護士)もここまではできないと対応してくれたので、貸し主にはご迷惑を欠けることになりましたが、わたし自身は助かりました。

明け渡し完了

【引き取り業者撤去作業初日】

破産申立代理人(弁護士)が、引き取り業者の作業に立ち会ってくれました。初日は大家(貸し主)も来ないだろうということで、わたしもさいごに必要書類の置忘れが無いかを確認するため、立ち会うことにしました。

【余談】その間、社内には破産手続きに必要な書類が残されていました。表通りに面している建物1棟分を借りていたので、人目を忍んで侵入して運びだしていました。

破産申立代理人は、「家賃を払っていないだけで、賃貸借契約は継続しているのだから、不法侵入ではない」と言うことでしたが、債権者と鉢合わせしないか?ビクビクでした。

その頃の様子は、破産と心の葛藤でご紹介していますので、ご興味があれば不安と恐怖とたたかっている、ウジウジしていた頃のわたしを覗いてくださいね。(ほんまにウジウジですので・・・笑)

【引き取り業者撤去作業2日目・明け渡し日】

さて、引き取り業者の作業2日目。作業終了後、破産申立代理人と大家(貸し主)とのあいだで立会いの後、大家(貸し主)に「明け渡し完了」書面に署名捺印をいただいて正式に契約解除となります。

※契約解除となったあとは、債権者として滞納している家賃、契約解除予告が無かった場合の2か月分の家賃、原状回復費用が、保証金から差し引かれて債権額となります。

作業終了後、大家(貸し主)は、「明け渡し完了」書面に押印することに納得いかなかいといいだし、破産申立代理人(弁護士)に誠意をみせて欲しいと主張したそうです。

現状、『特定の人にだけ返済をすることは偏頗(へんぱ)返済になるためできない!』ので、「印鑑代」という名目で、5万円支払うことで「明け渡し完了」しました。

この5万円の出どころは、破産申立代理人(弁護士)に預けていた、予納金の一部にする予定の、生命保険解約金60万円から支払いを済ませていただきました。

【破産と賃貸借契約】は法律的な問題と人情的な問題が絡みます。

こちらには貸し主と交渉後、撤去作業負担をしたことで、予納金の概算費用がどのくらい軽減されたか?を具体的な数字で表しています。ご参考にしてください。

 

 

 

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